戸籍謄本の読み方
目次
戸籍謄本の読み方のコツ
相続のお手続きを行う際に、必ず必要となる書類である戸籍謄本の読み方のコツをご案内いたします。
ここでは、特にお亡くなりになられた方の出生から死亡までの戸籍について解説していきます。
- 1.なぜ戸籍謄本を集めなければなならいのか
- 2.戸籍謄本の種類
- 3.戸籍謄本を読む際のコツ
- 4.まとめ
1.なぜ戸籍謄本を集めなければなならいのか
戸籍謄本の収集は、残念ながら相続人の方が苦労されるお手続きの一つです。
「戸籍謄本て1つじゃないの?」
「出生から死亡までって簡単に言うけど、集め方の想像がつかない。」
このように思われる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
それでは、なぜこのような手間のかかる手続きを踏まなければならないのでしょうか。
それは、公的な書類で相続人を確定するためです。
基本的に、親子や兄弟関係は戸籍に記録されています。
そのため、生れてから亡くなるまでの戸籍を確認することで、いつ結婚したかや子供は何人いるかなど相続人に関する情報を集めることができます。
相続についてのお話合いは、相続人の皆様で行わなければなりません。
一人でも欠けてはいけません。
この戸籍謄本を提出することでちゃんと相続人全員で手続きをしていると証明できるようになります。
2.戸籍謄本の種類
1通の戸籍謄本の中にその方の全ての情報が記載されていれば簡単ですが、そうはいきません。
それぞれの状況により異なりますが、複数枚発行が必要となります。
また、同じ役所で全て揃うこともあれば、何か所か役所で手続きを行なう場合もあります。
そこで、その戸籍の3つの種類について確認しておきます。
1.戸籍
これは、現在戸籍と呼ばれるもので、現実に使用されており、戸籍に在籍している人がいる場合に発行されるものです。
言葉で説明すると分かりにくくなりますが、この記事を読まれている皆様が区役所に行き「私の戸籍をください」と言った場合に発行されるものというイメージです。
この「戸籍」の証明書を「戸籍謄本」と呼びます。
2.除籍
これには、2つの意味があります。
1つは、婚姻や死亡などにより、その特定の人が「戸籍」から外されてしまうことです。
もう1つは、婚姻や死亡などにより「戸籍」に記載されている人が誰もいなくなってしまった戸籍のことです。
戸籍の種類として考えた場合に、あてはまるのは後者の方です。
この「除籍」の証明書を「除籍謄本」と呼びます。
3.改製原戸籍
「改製」とは、戸籍の様式を法律等により作り変えることです。
「原」とは、ここでは「みなもと」「もと」という意味です。
作り変えにより、新旧2種類の戸籍となりますが、その古いほうの戸籍のことを改製原戸籍と呼びます。
新しく作り変えられた戸籍のおおもとという意味になります。
「はらこせき」「げんこせき」など役所の担当によっても読み方が異なる場合があります。
直近では、今まで紙作成だった戸籍を電子データに作り変えています。
この「改製原戸籍」の証明書を「改製原戸籍謄本」と呼びます。
※「戸籍謄本」という呼び方について
電子データ化にともない「戸籍の全部事項証明書」という名称になっています。
しかし、現在も戸籍謄本の方が一般的であるため、このような表記で解説しています。
※「謄本」と「抄本」について
「謄本」は戸籍に記載のあるもの全ての写し、「抄本」はその一部の写しという意味です。
ここでは、お亡くなりになられた方の相続人の確定が目的のため全てがのっている「謄本」を収集します。
3.戸籍謄本を読む際のコツ
このように戸籍自体何の手続きをしていなくても作り替えられることがあります。
それを踏まえた上で戸籍を読むことが大切になります。
1.戸籍謄本の期間をチェック
まず、大事なポイントは取得した戸籍謄本がいつからいつまでの情報を記載しているのかということです。
これをしっかり把握しておかないと取得漏れにつながります。
近年の戸籍でいつから始まったかをチェックするのに有効なのは「改製」「転籍」「婚姻」です。
「改製」は先述のように法律等により新しく戸籍を作ることですので、戸籍が始まった日付の確認に役立ちます。
「転籍」は、もともと戸籍のあった市区町村から他の市区町村へ戸籍を移すことです。この場合も新しく戸籍が作られます。
「婚姻」により、新たに夫婦の戸籍が作成されます。
これらの日付の順番などを見比べながらその戸籍謄本がいつから始まったのかをチェックします。
次に、その戸籍謄本がいつまでの情報がのっているかをチェックするために有効なのは、「改製」「転籍」「消除」です。
「改製」「転籍」につきましては、新たに戸籍が作られる理由でもありますが、もともとの戸籍が終わる理由でもあります。
「消除」は、その戸籍の中から誰もいなくなったことを表します。例えば、その戸籍の中に記載のある人すべてが死亡してしまった場合です。
2.戸籍謄本の中で亡くなった人がのっている期間をチェック
戸籍謄本自体の期間が把握出来たら、次はその亡くなった人がその戸籍の中でいつからいつまで乗っているのかを確認します。
確認のポイントといたしましては、「出生」「婚姻」「死亡」です。
「出生」からその方の戸籍の記載が始まり「死亡」により終了いたします。そして「婚姻」により親の戸籍から離れることになります。
この日付を確認することで、その戸籍謄本の中でその方がのっている期間がわかるようになります。
4.まとめ
このようなポイントを押さえていただくことと、本籍地の移り変わりなどを注意していただくことで戸籍謄本も読みやすくなります。
しかし、最近の戸籍の読み方であっても例えば「養子」など戸籍の記載事項はまだあります。
また、戸籍をさかのぼっていけばいくほど、当時の法律の規定の違いや戸籍謄本の様式の違いなどから確認する部分が増えていきます。
※古い戸籍は手書きだったため、現在その古い戸籍を取り寄せると手書きの戸籍をスキャニングしたデータをプリントしたものが発行されます。手書きのため、記入者の癖が存分に発揮されています。
いずれにしても、一つ一つ読み取っていくことが大事になります。
当事務所では、戸籍謄本の収集代行も行なっております。
「戸籍を途中まで集めてみたが、この先どうしたらよいか分からない」といったご相談も受け付けております。
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