相続人の中に未成年者がいるケース
事例紹介
Aさんは、夫と子供1人の3人家族でした。
しかし、その夫がお亡くなりになり、残されたのはAさんと8歳のお子様でした。
お仕事やお子様の世話などで忙しく、相続手続きを任せられるところをとのことで、ご相談にいらっしゃいました。
そこで、ご状況をお伺いしたうえで、Aさんの場合、通常の相続手続きの他に、未成年者のお子様に代わって遺産分割協議を行う特別代理人が必要であることをご案内させていただきました。
この特別代理人は、家庭裁判所に選任してもらう必要があります。
その家庭裁判所のお手続きについてご説明させていただき、特別代理人の選任の申立からお手伝いさせていただきました。
その後、無事、特別代理人が選任され、相続のお手続きも完了することができました。
(事例の内容は一部修正を加えております)
補足説明
遺産分割協議を行なう場合、その話し合いは全ての相続人で行わなければなりません。
それは、未成年者が相続人の中にいる場合も同じです。
しかし、知識や経験が大人よりも少ない未成年者が遺産分割協議という法律行為を適切に行えるとは限りません。
そこで、通常であれば法律行為について親権者等が関与することで未成年者の権利を保護しています。
ただし、今回のように親権者と未成年者が当事者として同じ遺産分割協議を行うような場合は、親権者が未成年者の代わりに協議を行うことはできません。
それは、一方の利益を主張すると相手方の利益が失われてしまう、親権者と未成年者との間でお互いに利益が相反する行為(利益相反行為と言います。)だからです。
そこで、利害関係のない第三者に親権者に代わり遺産分割協議を行ってもらう必要が出てきます。
それが、特別代理人です。
今回のケースでは、この特別代理人を活用することで相続のお手続きを先に進めることができました。
特別代理人について
特別代理人になるためには、特に資格の制限などはありません。
しかし、未成年者の利益を保護するために選ばれるため、この目的に適う人物かどうかが重要になります。
そのため、家庭裁判所が未成年者との関係や利害関係などを考慮し、その適格性を判断することになります。
また、特別代理人が行うことができる行為は、家庭裁判所の審判で決められた行為に限られます。
今回のケースでは、遺産分割協議が終わると任務が終了することになります。
お手続きの種類も多く考えるだけで疲れてしまうという方もいらっしゃいます。
初めに流れや道筋が見えていると気持ちが楽になることもあります。
相続のお手続きでお困りでしたら、お気軽にお問い合わせください。